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柳瀬川・空堀川の草本・木本維持管理ルール

流域連絡会の柳瀬川・空堀川の草本・木本維持管理ルールについて

国田 隆雄
柳瀬川・空堀川の流域(武蔵村山市、武蔵大和市、東村山市、清瀬市)に住む公募市民と東京都北多摩北部建設事務所が主催し、流域四市の行政担当者を含む三者からなる“柳瀬川・空堀川流域連絡会”が柳瀬川・空堀川の植生をどう管理して行くべきなのかを二年を掛けて検討して来ました。3月の流域連絡会総会で『柳瀬川・空堀川の草本・木本維持管理ルール』としてまとまりましたが、これに各、工区ごとの地域特性の違いを加味した細則を添付して6月に詳細が確定しましたのでご報告致します。
以下が発表された維持管理ルールですが、今後はこのルールに沿って柳瀬川・空堀川流域の植生維持管理が進められます。

柳瀬川・空堀川の草本・木本維持管理ルール
~ 行政と市民による連携・協働 ~


柳瀬川・空堀川流域連絡会では、都市に残された貴重な河川空間である柳瀬川・空堀川の水辺を、安全で安心な地域の人々に愛され親しまれる川とするため、行政と市民による意見交換を重ねてきました。
この度、地球温暖化やヒートアイランド現象の緩和及び生態系の創生・保護などに寄与する河川敷内の草本・木本の適切な維持管理について、基本的なルールを策定しました。
今後、河川管理者と地元自然保護団体等が連携し、治水と環境共に両立した植生の維持管理を進めます。


〔本則〕
1 維持管理作業を行う場合は、河川構造の違いや植生の違いに配慮をし、エリアごとに河川景観を損なうことなく、地元自然保護団体等と連携をして、在来種・希少種の保護に努める。

〔細則〕
① 連携するエリアは、河川毎の各行政区間を基本とし、橋間を目安とする。
② 地元自然保護団体等とは流域各自治体及び当流域連絡会が把握している河川愛護団体をいう。(以下、保護団体等という。)
③ 外来種駆除や希少種・在来種の保護に向け、対象をエリア毎に保護団体等が定め、効果的な維持・管理について検討を継続する。


〔本則〕
2 河川敷内の樹木を貴重な緑とし定期的な剪定に努める。

〔細則〕
① 水際の植生は、多種多様な生き物の生息空間として貴重なものと認識し、洪水時の倒木や流下を阻害しないよう幹や枝の効果的な剪定を行う。
② 台風時等による倒木を予防するため、バランスよく枝を間引く、又は上をつめる等効果的な剪定をする。


〔本則〕
3 河川敷内の樹木が洪水の流下を阻害する場合や地域の安全・安心に影響を及ぼす場合は伐採する。

〔細則〕
① 洪水時倒木の恐れある樹木、住民の利用並びに河川施設に支障ある樹木は、原則伐採する。

〔本則〕
4 条件にかなう場所にワンドの設置、又、澪筋(みおすじ)の水際に植生を施し生態系の創生・保護に努める。

〔細則〕
① 生態系の保全・創出に向けて、流量確保の努力と共に、条件のかなう場所にはワンドの設置に努める。
② 護岸保護等、安全上の改良が必要な場合を除き、自然に形成される澪筋の保全に努める。
③ 保護団体等は、河川の生き物・植生の調査を行い、生態系の推移を理解する。

※1 ワンドとは、 川の本流と繋がっているが、河川構造物や堆積した土砂などに囲まれて池のようになっている地形のこと。魚類などの水生生物に安定した棲み処を与えるとともに、様々な植生が繁殖する場ともなっている。
※2 澪筋(みおすじ)とは、平時に川の水が流れている川すじのこと。


〔本則〕
5 植栽可能な管理用通路や河川余地などの緑化に努める。

〔細則〕
① 河川管理者は、誰もが心地よく散策できるよう、潤いのある河川空間の創出に努める。また,保護団体等は、沿川住民と共に緑豊かな河川空間の創出を目指す。
② それぞれのエリアが、ふるさとの川として誇れるよう河川管理者・市民協働で維持管理に努める。


〔本則〕
6 旧川や河道及び芝中調節池等を利活用し、雨水貯留の役割と、水と緑の憩える場の創出に努める。

〔細則〕
① ゲリラ豪雨など環境緩和のために、旧川や河道、旧調節池の利活用を図り、出来うる限り市民が憩えるみどり豊かな水辺の創出に努める。
② 洪水対策とともに市民が憩える美しい河川景観・生態の多様性を求めて、関係自治体と関係保護団体等は共通認識を持って維持管理に努める。




平成24年7月25日
第6期 柳瀬川・空堀川流域連絡会


なお、今後、細則については、必要に応じて見直すこととします。

by karaborigawa | 2012-08-01 17:55 | 柳瀬川・空堀川流域連絡会